長年住み続けてきた愛着のある我が家だが、ふと壁を見渡すと経年劣化による黄ばみや子供が幼い頃につけた傷跡が目立つようになっていた。業者に依頼することも考えたが、見積もりを取ると予想以上の金額に驚き、それならば自分でやってみようと決意したのが今回のDIYの始まりである。まずはインターネットで初心者向けのセットを購入した。そこには生のりが付いた30メートルの壁紙と、施工に最低限必要な道具一式が含まれており、何から揃えれば良いか分からない私には非常に心強かった。作業の初日は古い壁紙を剥がすことからスタートしたが、これが意外にも重労働で、裏紙を残して綺麗に剥がす感覚を掴むまでに数時間を要した。1人で作業を進める中、最も苦労したのはコンセント周りの処理と、天井付近の高い位置での作業だ。脚立に登りながら重みのある生のり付き壁紙を垂直に保つのは想像以上に体力を消耗したが、1枚、また1枚と壁が新しくなっていく様子を見るのは大きな快感だった。特に柄のない無地のホワイトを選んだため、繋ぎ目が目立たないようにジョイント部分をカットする作業には全神経を集中させた。ローラーで丁寧に押さえ込み、はみ出したのりをスポンジで拭き取る工程を繰り返すうちに、素人ながらにコツが掴めてきた。結果として6畳の部屋を2日間かけて完成させたが、仕上がりを眺めた時の達成感は何物にも代えがたい。合計でかかった費用は材料費のみの2万円弱で、業者に頼んだ場合の3分の1程度で済んだ計算になる。多少の粗はあるかもしれないが、自分の手で空間を再生させたという事実は、日々の生活に新しい活力を与えてくれた。壁紙が変わるだけで部屋の明るさが劇的に増し、空気まで澄んでいるように感じられる。今回の経験でDIYの楽しさに目覚めた私は、次はリビングのアクセントクロスに挑戦しようと計画を立てている。放置しておくとそこから剥がれが広がり、手遅れになってしまうからだ。住まいの一部である壁を丁寧に慈しみ、手入れを続けることで、張り替えた時の感動を長く保ち続けることができるのである。