日本の住宅において長年主流だったアルミサッシは、耐久性には優れていますが熱を通しやすいという大きな弱点を持っています。アルミニウムの熱伝導率は樹脂の約1000倍もあり、これが冬の寒さや夏の暑さの大きな原因となっていました。現在の窓リフォームにおける世界的な潮流は、熱を伝えにくい樹脂サッシの導入です。樹脂は熱伝導率が非常に低く外気温の影響を室内に伝えにくいため、窓際の温度を安定させる効果が劇的です。樹脂サッシを採用した窓に変えることで、家の中の温度差が少なくなり、リビングと廊下や浴室などの温度差によって起こるヒートショックのリスクを大幅に減らすことができます。リフォームの現場では既存の枠を活かしたカバー工法が一般的で、壁を壊すような大掛かりな工事は不要です。樹脂サッシには他にも優れた点があります。それは気密性の高さです。溶着技術によって枠の接合部を隙間なく一体化できるため、隙間風の侵入を防ぎ防音性能も向上します。また樹脂は色や質感のバリエーションも豊富で、木の質感を再現した木目調のデザインを選べばインテリアに温かみを与えることも可能です。費用についてはアルミサッシよりも割高になりますが、その差額を埋めて余りあるほどの快適性と冷暖房費の削減効果があります。特に寒冷地では既にスタンダードとなっていますが、温暖な地域においても近年の猛暑対策として樹脂サッシの価値は再評価されています。また最近ではアルミと樹脂を組み合わせたハイブリッドサッシも人気ですが、断熱性能を究極まで追求するならば、オール樹脂サッシとトリプルガラスの組み合わせが現在のリフォームにおける最高到達点と言えます。窓の素材を変えることは建物の呼吸を整え、住む人の身体に優しい環境を作り出すことと同義です。10年後や20年後の住宅基準を見据えたとき、樹脂サッシへのリフォームは資産価値を維持する上でも非常に賢明な判断となるでしょう。樹脂サッシの耐久性を心配される方もいますが、最新の素材は紫外線に対する耐性も非常に高く、30年以上の使用に耐えうる性能を持っています。また樹脂はアルミに比べて結露が圧倒的に発生しにくいため、サッシそのものの腐食や周辺の壁の劣化を防ぐことにも貢献します。窓が変わることで部屋全体の気密性が高まるとエアコンの稼働音なども静かになり、より深いリラックスを得られる空間になります。たかがサッシと思われがちですが、その1枚の素材の違いが電気代だけでなく家族の健康や家そのものの寿命を決定づけているのです。これからのリフォームでは見た目の新しさ以上に素材の持つ熱的性能を重視することが鉄則となるでしょう。
樹脂サッシの導入で家の断熱性能が劇的に変わる理由