住まいの印象を劇的に変えることができる壁の張り替えは、DIYの中でも特に人気が高い項目の一つである。しかし、闇雲に作業を始めてしまうと、仕上がりにムラができたり、すぐに剥がれてしまったりといったトラブルを招きかねない。成功への第一歩は、まず徹底した事前準備と正しい手順の把握にある。作業の開始にあたって最も重要なのは、既存の壁紙をいかに丁寧に剥がすかという点である。古い壁紙の端にカッターで軽く切れ目を入れ、そこからゆっくりと手前に引くようにして剥がしていく。この際、裏紙が壁面に薄く残るように剥がすのが理想的であり、これが新しい壁紙を貼る際の下地としての役割を果たす。もし裏紙が浮いてしまった場合は、その部分を取り除き、段差が生じないように注意しなければならない。次に、下地の調整という極めて重要な工程が待っている。壁面に穴や凹凸がある場合は、専用のパテを使って埋めていく。パテが乾燥した後にサンドペーパーで表面を滑らかに整えることで、新しい壁紙を貼った後に下地のデコボコが浮き出てくるのを防ぐことができる。この下地調整の丁寧さが、最終的な仕上がりの8割を決めると言っても過言ではない。いよいよ新しい壁紙の貼り付けに入るが、初心者の場合はあらかじめ糊がついているタイプの壁紙を選ぶのが賢明である。壁紙を天井の端から数センチメートルほど余裕を持たせて垂直に垂らし、中央から外側に向かって撫で刷毛を使いながら空気を抜いていく。1枚目が斜めになってしまうと、その後の全ての工程が狂ってしまうため、重り付きの糸などを利用して正確な垂直線を出すことが求められる。隣り合う壁紙との継ぎ目については、2枚を数センチメートル重ねて貼り、その重なった部分を2枚同時にカッターで切り落とすジョイントカットという技法を用いる。これにより、隙間のない美しい継ぎ目が実現する。最後に、上下の余分な部分を竹べらでしっかりと筋をつけてから地ベラを当ててカットし、はみ出した糊を湿ったスポンジで拭き取れば完成である。一連の作業は決して短時間で終わるものではないが、一歩ずつ着実に進めることで、プロに近い仕上がりを手にすることができるのである。
初心者でも失敗しない壁紙張り替えの基本手順